武術修行記 ~合気道編~(1)

標準

◆合気とは?

合気とは?また、合気道とはいかなる武道なのか?
佐川先生の元弟子の方から話を聞いた後、大東流やそれをもとに作られた合気道に興味関心が募っていく。そういえば、その方はこんなことも仰っていた。
「少林寺拳法か。少林寺拳法も良い技だね。だけど本当の柔の極致は大東流だけだよ。例えば太極拳も柔とは言うけど実際には剛が混じっているが、大東流は柔だけだ。」

今更ながら、自分のやっていた少林寺拳法とはどのようなものであったか?
よく誤解されがちだが、日本の「少林寺拳法」は中国の「少林拳」とは全く違うもので、開祖である宗道臣先生が中国で学んだ技を元に、柔道や空手、ボクシング、相撲その他を研究し再編されたものだ。その技は「守主攻従」という少林寺拳法の特徴にあるように、相手の攻撃をいろんなパターンに分類し、それに対して、受け・捌き等で守り、すかさず突き蹴りや投げによる反撃を行うというもので、非常に分かり易いものである。例えば、手を掴まれたら鉤手手法で守りながら当身、その後関節技で投げる、と言った風である。

少林寺拳法は基本的に、投げや関節技を主体とする「柔法」、突き蹴りを主体とする「剛法」、身体の調整や点穴を主体とする「整法」の三つから構成されている。また、分かり易いという言葉に象徴されるように考え方はシンプルで、かつ理論的に技を説明するスタンスをとっている。柔法では関節技の分類化や柔道で言うところの八方崩しから投げへのプロセス等の解説。突き蹴りでは相手の攻撃を受け流したり、ヒットポイントを外す捌きの技術…等々。

特に蹴り等を腕で受けた時に、角度処理で衝撃をまともに喰らわない技術などは秀逸で、これはつまりどういう事かというと、蹴りを手や足で防御したとしても、それで腕や足を痛めては意味がないのである。単純にヒットポイントを外して威力をなくすではなく、受けた時にどうやってその衝撃を殺すか?その考え方を学べたのは大きく、太極拳の拗歩倒レン猴でミドル~ローキックを捌くのが自分の得意技なのも、この理合のお陰のところもある。というのは技にレンジの広がりを持たせることが出来るからで、レンジが広がれば、それだけタイミングや応用も広がる。ちなみに、拗歩倒レン猴は双辺太極拳にしかない技で、八卦掌との融合の仕方も絶妙な均整のとれた美しい技だ。

やや話は逸れたが、少林寺拳法が理論的であったからこそ、合気と言う存在が余計に気になっていたのかもしれない。もちろん、その時代は中国拳法漫画の「拳児」が流行りはじめていたころだったので、その内容から漂ってくる中国拳法や大東流などの古武術の考え方や動きに、新鮮な魅力を感じていたという事もあるだろう。

大学三年も終わる頃、一通の手紙を書いた。
少林寺拳法では毎年・春休みには、以前書いたように大学合宿と言うものがあり、四国は香川県の多度津町に行く。そこから砂泊先生の教えていらっしゃる熊本へと考えて、砂泊先生にあてた手紙であった。手紙には先生の技や言葉に感動したこと、そして一度技を見学させていただきたいという旨が記してあった。腕を取らせていただけるかもわからない。ただ見て、一日で帰ってくることになるかもしれない。待つこと数日…。先生から返信が届いた。筆で丁寧にしたためられた手紙。返事はOKだった。

大学合宿が終わると、皆と岡山で別れて一人熊本へと向かった。青春18きっぷで、普通電車を乗り換えての旅だ。

合気とは?また、合気道とはいかなる武道なのか?
漫画「拳児」にあった佐川先生の「透明な力」のようなものなのだろうか?

ただ一つ。直観で感じていたことは、合気は一流の先生の技を受けないとわからないだろうという事だった。

次回へ続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA