明鏡拳舎の太極拳

太極拳

鴛鴦鉞(えんおうえつ)

太極拳は様々なメディアにも登場し、TVコマーシャルなどでもたまに見かけたりしますので、一般の方でも太極拳のイメージはなんとなくお持ちのことと思います。

ところが実際には、太極拳は五大流派とも六大流派とも言われるそれぞれの特徴をもった太極拳が存在しています。

しかも、いわゆる「太極拳」として世界中に広まり多くの人に認識されているのは簡化24式太極拳という近代になって制定されたものであるなど、一口に太極拳とは言っても実に数多くの太極拳が存在している状況なのです。

また、同じ流派ではあっても「一人一太極拳」と言われるように、先生が変われば動作も風格も変わりますから、いったいどれが本当の太極拳なのかと思ってしまうほどです。

しかし、「なぜそんなに多くの太極拳が存在するのか?」というその疑問こそは、太極拳の融通無碍で懐の広いところでもあり、「原理原則が合っていれば陰陽の組み合わせで様々に変化できる」のが太極拳の特徴なのだとも言えるでしょう。

「内・外」、「大・小」、「直・斜」などなど、それらの違いは言ってみれば全て陰陽でしかありません。

中国の古い思想では太極が陰と陽に分かれて世界が広がっていったように、太極拳もまたそれぞれに独自の発展を遂げながら、今に至るというわけなのです。

そうした背景がある中で明鏡拳舎で教えている太極拳は二つ。「雙邊太極拳(そうへんたいきょくけん)」と「精花太極拳(せいかたいきょくけん)」。そして、精花太極拳と舞扇を組み合わせた精花扇があります。

雙邊太極拳(そうへんたいきょくけん)

雙邊太極拳の解説

雙邊太極拳は陳泮嶺先生によって、各派の太極拳の要素に加え、形意拳、八卦掌のエッセンスを取り入れて創始されました。

特に八卦掌の螺旋が随所に色濃く入る事で武術的には新たな戦術性が加わりつつ、動作や形も他の太極拳とは雰囲気の違った美しさを持つ太極拳です。

雙邊太極拳には連散手(れんさんしゅ)という珍しい練習法も存在しており、套路と全く同じ流れで連続的に実際の武術的な使い方を学ぶことで、徐々に太極拳を自由に使いこなせるようになっていくよう工夫もされているなど、様々な視点からわかりやすく太極拳の動作の意味や目的を学ぶことが出来るのが我々の雙邊太極拳なのです。

精花太極拳(せいかたいきょくけん)

精花太極拳の解説

精花太極拳は、雙邊太極拳をベースに再編された「内功武術 明鏡拳舎」独自の太極拳です。

身体の弱っている方などにも取り組みやすい内容になっています。

精花太極拳が生まれた背景には、癌で亡くなった私の一番弟子が闘病の中で共に練習していた時の様々な経験が根本にあり(*1)、その辛い経験がなければおそらくこの精花太極拳が生まれてくることもなかったでしょう。

「精花」とは、中国語でエッセンスを意味する「精華」から来ており、套路の中に出てくる花が開くような手形と日本的な意味合いを込めて「精花太極拳」と名付けました。

見た目はフンワリと柔らかい優しい雰囲気の太極拳ですが、女性向けに護身の意味合いが強い太極拳にもなっています。

(*1)弟子の闘病の様子はブログにも書いております

精花扇(せいかおうぎ)

精花扇の解説

武器の代わりに日舞用の扇を用いて精花太極拳と結びついたものが「精花扇」です。日本舞踊における舞扇は、時には「刀剣」となり、時には風に舞う「花びら」となり、一つの扇で様々な表現を行っています。

精花扇は、太極拳の理にかなった動きが花びらが舞い散るような自然の理に則った動きや、刀剣の理と相通ずるところを愉しく学ぶ目的で創られました。

当門の紹介では「道具もいらず身体一つで」という書き方をしておりますが、日舞踊の扇は武器に比べると値段的にも手に入れやすく、色柄や模様も様々で、その中から自分の好きな扇を選ぶということも楽しみの一つのようです。

自分のお気に入りの扇をもって精花扇を行うことで、太極拳の動作の美しさもまた再認識することでしょう。